チヌ( クロダイ )のフカセ釣りや紀州釣りで釣果を左右するポイント( 釣り場 )選びにおける海中の潮の流れの予測と読む方法について説明します。

周辺の地形や地域などにより多少変化しますが、海釣りで最も多いシチュエーションの漁港や防波堤( 堤防・波止 )などを例に説明します。
ポイントを選ぶ時の潮流予測や潮読みの参考になれば幸いです。
海の中の潮の流れ方は、防波堤( 堤防・波止 )の位置や周辺の地形による沖からの本流の当たり方、干潮や満潮などの潮汐( ちょうせき )により変化します。
何度か同じ釣り場に通いよく観察していると固有の癖( 流れの傾向 )が過去の経験から掴めるようになります。
それでは、チヌ( クロダイ )のフカセ釣りや紀州釣りを行うポイント別に基本的な潮の流れ方の予測例を紹介します。
◆ 漁港内側の潮の流れ

上のイメージ図のような波が穏やかな漁港の内側のポイントでは、海中の潮は右から左または左から右に向かって緩やかに流れる釣り場が多くなります。
潮が引いている時は右方向に潮が満ちている時は左方向など、時間帯により潮の流れ方が変化することもあります。
防波堤( 堤防・波止 )を構成しているイメージ図 A の部分の四角いコンクリートブロック( ケーソン )内部の状態が...

上の写真のように空洞になっていれば、海水が自由に通り抜けることができるため漁港の内側でも潮の流れが良くなります。
大潮の干潮時などに目視で確認することができます。
チヌが釣れる実績ポイントの場合は、波も穏やかで潮の流れも予測しやすく釣りやすい環境になるので、フカセ釣りや紀州釣りにおすすめです。
◆ 漁港外側の防波堤( 堤防・波止 )の潮の流れ

上のイメージ図のような漁港にある防波堤( 堤防・波止 )の外海に面した外側のポイントでは、釣り座を構える場所により潮の流れ方も複雑になります。
B の角や D の先端の釣り座が潮通しも良く好ポイントとなるのは事実ですが、ボトム( 海底 )付近にタナを設定するチヌのフカセ釣りの場合は...

⇒ マキエとサシエを同調させる難易度が高くなる
上記のような好ポイントであるが故のデメリットもあります。
C の釣り座は、B や D の釣り座より潮の流れを予測しやすく沖から回遊してくるチヌを狙えるので、フカセ釣りや紀州釣りにおすすめです。
陸に沿って回遊してくるチヌが釣れる実績ポイントの場合は、入口付近の A の釣り座も有力になるので狙い目です。
◆ 防波堤( 堤防・波止 )の突堤の潮の流れ

直線状になった「 突堤 」とも呼ばれる防波堤( 堤防・波止 )は、先端部分の釣り座が潮通しも良く沖から回遊してくるチヌを狙えるため好ポイントになります。
しかし、先ほど説明した角や先端の釣り座のケースと同様に潮の流れが複雑になり過ぎるとマキエとサシエの同調が難しくなるデメリットもあります。
潮の流れを予測しやすい A や B の釣り座も沖から回遊してくるチヌと陸に沿って回遊してくるチヌ両方を狙えるので、フカセ釣りや紀州釣りにおすすめです。
◆ 護岸や砂浜の潮の流れ

上のイメージ図のような潮の流れを遮る( 変化させる )建造物がない護岸や砂浜( サーフ )などは、主に右方向や左方向からの流れと沖からの流れがあります。
場所により沖に向かう潮の流れ( 離岸流 )が発生することもあります。
沖からの回遊ルートと陸沿いの回遊ルート両方のチヌにアプローチすることができるので、フカセ釣りや紀州釣りにおすすめです。
◆ チヌ( クロダイ )のフカセ釣りで海中の潮の流れを読む方法

ポイント( 釣り場 )に到着して海面を眺めてもどちらの方向に潮が流れているのか目視だけで正確に判断するのはなかなか難しいです。
特に初心者さんにとっては、難しいと思う方も多いのではないでしょうか?
フカセ釣りにおける簡単な潮の流れの読み方とは...

偏光グラス( フィッシンググラス )と視認性が高い白系の配合餌( 集魚剤 )を使用して作ったマキエ( コマセ )が役立ちます。
・ マルキュー チヌパワーV10 白チヌ
・ マルキュー チヌパワーV10 白チヌスペシャル
・ ヒロキュー ホワイトベース 制覇チヌ
オキアミと混ぜるだけで手軽に使える集魚力と視認性を兼ね備えた上記の白い配合餌がフカセ釣りの潮読みにおすすめです。

海に白系のマキエを撒いてみると、潮が流れている方向( 潮下 )に向かってマキエの煙幕がスロープ状に拡散しながらゆっくりと沈んでいきます。
海中の様子が見える偏光グラスと視認性抜群のマキエの視覚効果を利用して、ポイント周辺の潮の流れを読むことができます。
※ 普通のサングラスでは海中の様子は見えません。

⇒ シマノ スーパー撥水ハーフメタルフィッシンググラス PC HG-086K
ネット通販のアマゾンなどで販売している魚釣りに特化した釣り用品の偏光グラスがあれば、海中の様子を確認することができます。
マキエが沈下する途中で沈む方向や角度が変わったり、沈む速度が速くまたは遅くなった場合は、海中の潮の流れが変化している分岐点があると判断できます。
⇒ 潮目の存在や二枚潮など
潮目とは、潮と潮がぶつかり合っている海水の境目で、魚の餌となるプランクトンやマキエが溜まりやすく好ポイントとなります。
海面に白い泡が帯状に発生している場所も潮目と言えます。
また、フカセ釣りの仕掛けを回収する時に釣り針( サシエ )がどちらの方向から戻ってくるのか観察して潮の流れを読む方法もあります。
上記の方法は、フカセ釣りの仕掛けを投入するポイントが遠い時など、目視だけでは判断できない時に有効なテクニックです。
チヌ( クロダイ )のフカセ釣りや紀州釣りのポイント選びにおける海中の潮の流れの予測や読む方法についての説明は以上です。
釣行時の参考にしたり、実釣を行う時に役立てば幸いです。
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