チヌ( クロダイ )の ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )におけるバラシの意味や原因とバラシを回避するやり取り中の対策方法を紹介します。

アウトドアの海釣りは、大自然と魚を相手に楽しむ趣味なので、100% 完璧にバラシを回避することは難しいですが...
しっかりと対策をしながら釣り針に掛けたチヌ( クロダイ )と丁寧にやり取りすることでバラシが減り釣果アップにも繋がります。
実釣でキャッチ率を上げるための参考になれば幸いです。
◆ バラシの意味とは?
釣り用語のバラシとは、魚の口に掛かった釣り針がやり取り中に外れたり、仕掛けの釣り糸が切れたりして 魚を釣り上げられずに取り逃がしてしまう ことです。
釣り師が実釣中に一番悔しい思いをする瞬間がこのバラシで...
一般的に「 バレた!」または「 バラシた!」と言って使用する釣り用語です。
「 ナチュラルリリース 」や「 オートリリース 」と言う場合も...。
◆ バラシの原因とは?
ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )の実釣シーンで釣り針に掛けた本命のチヌ( クロダイ )をやり取り中にバラシてしまう主な原因として...



上記の3つが挙げられます。
それでは、それぞれの原因について実釣中にバラシを回避するやり取り中の対策方法やテクニックを順番に紹介していきます。
1. アワセを入れるタイミングを改善してバラシを回避

チヌ( クロダイ )の ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )では、円錐ウキや棒ウキにアタリが出てからアワセを入れるまでのタイミングも重要です。
アワセのタイミング次第で バラシのリスクが大きく変化 する釣りです。
チヌ( クロダイ )は警戒心が非常に強い魚で、海中にある刺し餌を発見するとまず口先でその餌が安全かどうか確認してから捕食して飲み込みます。
上記の理由から、極端な即アワセや早アワセをすると針の掛かり具合いが浅くなり過ぎてやり取りの途中で針が外れバラシてしまう原因になります。
アワセを入れたのに針に掛からず( 魚が乗らず )スッポ抜けて素針を引いてしまう失敗も起こりやすくなります。

刺し餌が安全かどうか確かめている時が... 前アタリ
⇒ ウキが上下にピクピク動いたり、ウキが沈みそうで沈まない押さえている状態

刺し餌が安全と判断して食い込んだ時が... 本アタリ
⇒ ウキがゆっくり沈んでから加速し始めたり、ウキが勢い良く消し込んだ状態
理想的なアワセのタイミングは、本アタリが発生した時で、アワセを入れる前の段階からバラシを回避するためのやり取りは始まっています。
チヌ( クロダイ )に 刺し餌をしっかり食い込ませる とバラシ対策になります。
2. 竿さばきで引きのいなし方を改善してバラシを回避

チヌ( クロダイ )のアタリを取りアワセを入れて釣り針に掛けるとやり取りもいよいよ本番で、強烈な引きをいなしながら海面まで浮かして取り込みます。
一番注意しなければならない点は、早く釣り上げたい気持ちから焦って強引にやり取りしてしまうとハリス切れなどによるバラシの原因になります。
磯竿の反発力を最大限に活かす竿さばき( ロッドワーク )で引きをいなし楽しみながら冷静にやり取りすることでバラシを回避できます。
それでは、基本的な竿さばきの操作方法を図解で説明します。
◆ 良い例のイメージ図

チヌ( クロダイ )とのやり取り中は、磯竿をしっかりと立てて一定の角度を保つことで 反発力を最大限に活かした状態で引きをいなす ことができます。
◆ 悪い例のイメージ図

磯竿の角度( 立て方 )が悪いと本来の反発力を活かすことができず釣り糸に必要以上の負担が掛かりハリスが切れてバラシてしまう原因になります。
チヌ( クロダイ )がやり取り中に怒って急激に暴れだした時も磯竿がのされて反発力が活かしにくくなる角度が悪い状態に陥りやすいです。
フロントドラグ式のスピニングリールを使用している場合は、万が一の時に備えてリールのドラグ調整は忘れずに行ってください。
レバーブレーキリールを使用している場合は、人差し指のレバー操作で瞬時に道糸を送り磯竿の角度を立て直すことができます。

チヌ( クロダイ )が右方向に走った時は、上のイメージ図のように磯竿を進行方向とは逆の左側に向け角度を保ちながら引きをいなし...

チヌ( クロダイ )が左方向に走った時は、上のイメージ図のように磯竿を進行方向とは逆の右側に向け角度を保ちながら引きをいなします。
チヌ( クロダイ )の 動きに合わせた適切な竿さばき を行い反発力を活かして引きをいなすことでバラシ対策になります。
強い引きを楽しみながら丁寧にやり取りして海面に浮かせたら最後にタモ入れをして取り込んでフィニッシュです。
磯玉網( タモ網 )の使い方やタモ入れのコツについては...

⇒ チヌ( クロダイ )釣りの磯玉網( タモ網 )の使い方やタモ入れのコツ
上記の記事で紹介しています。
ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )で釣れるチヌ( クロダイ )は、成長すると 50cm 以上の年無しと呼ばれるサイズになる大型の魚です。
防波堤( 堤防や波止 )では、40cm 前後の良型が釣れることも多いので、使用する磯竿やリールは基本性能がしっかりとした物を選んだ方が無難です。
竿さばきがしっかりできてもチヌ( クロダイ )の引きをいなせる能力が備わっていない磯竿やリールを使用しては意味がないので注意してください。

⇒ シマノとダイワのおすすめの磯竿「 最適な号数の選び方と通販情報 」

⇒ シマノとダイワのおすすめのスピニングリールとレバーブレーキリール
上記の記事で紹介している磯竿やリールがあれば対応できるので、よろしければそちらも選ぶ時の参考にしてください。
磯竿のジャンルの中でも対象魚のチヌ( クロダイ )に特化した「 チヌ竿 」と呼ばれるシマノの鱗海シリーズもラインナップしています。
鱗海シリーズの詳細については...

⇒ シマノ鱗海シリーズ「 フカセ釣りや紀州釣りの磯竿( チヌ竿 )紹介 」
上記の記事で紹介しています。
3. 仕掛けの強度や釣り糸の傷を改善してバラシを回避

チヌ( クロダイ )の ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )でバラシを回避するためには、仕掛け全体の総合的な強度も非常に重要です。
道糸やハリスを結んで最大の結束強度を発揮させる結びの技術はもちろん、実釣中に釣り糸が傷ついてしまった時はすぐに交換して結び直します。
大丈夫だろうと思いそのまま使用するとチヌ( クロダイ )とのやり取り中に釣り糸の傷ついた部分から切れてバラシてしまう原因になります。
仕掛け作りに必須の釣り糸の結び方については...

⇒ チヌ( クロダイ )のフカセ釣りや紀州釣りに必要なラインの結び方
上記の記事で紹介しています。

上の画像の赤い円で囲った釣り針のチモト( 結び目 )付近は、魚が噛んだり歯で擦れてハリスがザラザラになり傷つきやすい部分です。
魚を釣った時は、毎回ハリスに傷がついていないかをチェックして、傷がついている場合はすぐに結び直します。

上のイメージ図のように海中に沈んでいるシモリ根やテトラポットなどの障害物に釣り糸が接触して擦れる根ズレにより道糸やハリスが傷ついた時は...
擦れて 根ズレを起こした部分の強度が極端に落ちる ので、釣り糸を交換したり傷ついた部分をカットして仕掛けを作り直します。
実釣中は 仕掛けの釣り糸に傷がないか常にチェック して臨機応変に対応することでバラシを未然に防ぐ対策になります。
チヌ( クロダイ )の ウキ釣り・フカセ釣り・紀州釣り( ダンゴ釣り )の実釣シーンで本命をバラシて悔しい思いをしないために...
今回紹介したバラシの意味や原因とバラシを回避するやり取り中の対策方法が皆様の釣行の参考になれば幸いです。
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