チヌ( 黒鯛 )釣り入門 > 魚料理の基礎知識「 鮮魚が生臭くなる理由や原因成分と臭いの取り方 」
2016年02月09日

魚料理の基礎知識「 鮮魚が生臭くなる理由や原因成分と臭いの取り方 」



海釣りなどで釣った魚やスーパー( または、魚屋 )で購入した魚を調理して魚料理を食べる方なら誰もが気になる魚の臭い( 生臭さ )について...


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魚が生臭い( 生臭くなってしまう )理由や臭いの原因になる成分と魚料理を作る時に有効な臭いの取り方( 消し方 )を紹介します。

調理方法を工夫したり適切な下処理を行うことで魚料理を食べた時に感じる生臭い不快な臭いを取り除いて消すことができます。

それでは、魚の臭いについて詳しく説明します。



◆ 魚が生臭い( 生臭くなってしまう )理由


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魚の臭いは、大きく分けると...

磯臭い
生臭い

上記の2種類に分類されます。


磯臭さは生息環境や食性( 食べる餌 )に由来する魚種固有の臭いですが、生臭さは魚体に潜んでいる 細菌が繁殖することにより発生する臭い です。

釣り上げた直後や網で漁獲した直後の生きている状態の魚は、細菌に対する免疫機能が働いているため生臭い不快な臭いはあまり感じません。

しかし、魚を絞めると免疫機能が停止するため時間の経過とともに細菌が繁殖して鮮度が落ち生臭い不快な臭いを感じやすくなります。

最終的には、強烈な腐敗臭を放つようになり食べることも困難に...。


気温が高いと細菌が活発に活動して繁殖する最適な環境になるため鮮度が落ちやすく逆に気温が低いと細菌の活動が鈍くなるため鮮度が落ちにくくなります。

一年の中で気温が高くなる夏から秋にかけての時期は、魚も傷みやすくなるので温度管理には十分注意してください。



◆ 魚が生臭い( 生臭くなってしまう )原因成分


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私たちが食べている魚の 筋肉・内臓・血液 には、細菌が繁殖するための栄養源になるジメチルアミンという魚本来の臭い成分が含まれています。

魚体に潜んでいる細菌が栄養源のジメチルアミンを分解しながら繁殖することによりトリメチルアミンという新たな臭い成分が生成されます。

海釣りなどで釣って自宅に持ち帰った魚やスーパーや魚屋で購入した魚を調理して魚料理を食べる時に 生臭いと感じる原因成分がトリメチルアミン です。


アウトドアの魚釣りをやる方は、魚の血も臭いの原因になるので中型サイズ以上の魚を自宅に持ち帰る時は釣り場で絞めて血抜き処理することをおすすめします。

魚の絞め方や血抜き処理の方法( やり方 )については...


  チヌ( クロダイ )釣りで活躍する5つの便利アイテム.jpg
チヌ( クロダイ )釣りで活躍する便利アイテム( 便利グッズ )の紹介


上記の記事で紹介しています。


魚を冷蔵庫で一時保管したり冷凍庫で長期保存する一番の理由は...

低温の環境下で細菌の活動を抑制して生臭い不快な臭いの原因成分となるトリメチルアミンの増加を遅らせたり一時的に止めるためです。

魚は絞めてから冷蔵庫で12〜24時間程度保管すると鮮度が高い状態で旨味成分のイノシン酸も増加して一番美味しい食べ頃になります。



◆ 魚の生臭い臭いの取り方( 消し方 )


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魚の生臭い臭いの原因成分となるトリメチルアミンは...

揮発性がある
水に溶けやすい

上記の性質( 特徴 )があります。

それでは、誰でも簡単にできる魚の生臭い臭いを取り除いて消す調理方法や下処理方法を順番に紹介していきます。


1. 魚を油で揚げる


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トリメチルアミンは揮発性がある ので、高温の油で魚を揚げる唐揚げや天ぷらなどの揚げ物の料理にすると生臭い成分が気化して消えて食べやすくなります。

魚料理では定番の調理方法です。


2. 魚を魚焼きグリルで焼く


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上記の揚げ物と同様に魚焼きグリルの中で魚をよく焼くと、生臭い成分が気化して消えると同時に食欲をそそる焼き魚の香ばしさがプラスされます。

魚本来の風味や素材の味を活かす調理方法です。


3. 魚をフライパンで焼く


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フライパンの上にサラダ油などをひいて魚の両面をこんがりきつね色になるまで焼く調理方法も生臭い成分を気化させて消すことができます。

香りが強いニンニクやカレー粉などのスパイス( 香辛料 )と一緒にフライパンの上で魚を焼いて臭いを消す調理方法もおすすめです。


4. 魚の表面を炙る


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魚の表面を調理用のガスバーナーで炙って炙り焼きにすると生臭い成分が気化して消えて香ばしくなり焦げ目が付いて料理の見た目も良くなります。

特に生臭さが気になりやすいカツオのお刺身などは「 炙りたたき 」に調理して臭いを消してから食べられることも多いです。


5. 魚を霜降りする


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トリメチルアミンは水に溶けやすい 性質があるので、魚を熱湯に一度浸して水で洗ってから調理すると生臭い成分が熱湯の中に溶け出して臭いが取れます。

魚の霜降りは、和食の煮魚や味噌汁などの汁物料理を作る時に調理する段階で必ず行っておきたい臭いを取るための下処理です。


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あら煮やあら汁を作る時も同様に霜降りの下処理を行うと臭いが取れます。

下処理なしで調理すると煮汁やダシ汁の中に魚の生臭い成分が溶け出して不快な臭いが残る魚料理になってしまいます。



魚の生臭い原因成分「 トリメチルアミン 」の揮発性があって水に溶けやすい性質を考慮した加熱調理や下処理を行うことで臭いを取り除いて消すことができます。

鮮度が極端に落ちている魚の場合は、臭いを完全に取り除くことが難しくなりますが、適切な調理方法と下処理で軽減することは可能です。

魚をお刺身などで食べる時は、生臭さを感じやすいのでなるべく鮮度が高い良い状態の物を選んで食べることをおすすめします。

海釣りで釣った魚やスーパー( または、魚屋 )で購入した魚を自宅で調理して魚料理を食べる時の参考になれば幸いです。



様々な魚種に対応できる魚料理のレシピ( 作り方 )については...


  チヌ ( 黒鯛 ) 釣り入門 美味しい魚料理のおすすめレシピ.jpg
美味しい魚料理のおすすめレシピ


上記の一覧ページで紹介しています。



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posted by Nao☆ at 17:36 | 魚料理のレシピ