防波堤・堤防・波止・磯 などの釣り場から行う一般的な海釣りシーンで頻繁に使用されているフロントドラグ式のスピニングリールについて...

今回は、スピニングリールのメンテナンス として、当ブログの管理人が所有しているリールを使用しながら釣行後に自宅で行うお手入れ方法を紹介します。
定期的なメンテナンスや釣行後のお手入れをしっかり行って道具を大事に扱うことで快適な巻き心地や回転性能をより長く維持することができます。
シマノやダイワのスピニングリールおよびレバー付きのレバーブレーキリールの両方に対応しているのでよろしければ参考にしてください。
◆ スピニングリールの釣行後のメンテナンス( お手入れ )方法

帰宅したらまず最初にスピニングリールまたはレバーブレーキリールの本体のドラグツマミを時計回りに回し ドラグを締め込んで から...

シャワーの水を全体にかけて表面に付着した汚れや海水の塩分を洗い流します。
※ 水没させたり洗剤の使用は厳禁です。
ドラグを締め込む理由とは?
⇒ ドラグ内部への水の侵入を防ぐため

スプールに巻いてある道糸( ライン )やアームローラーは、海水の塩分が多く付着する部分なので大量の水で入念に洗い流します。
作業を行う時の注意点として、お湯で洗ってしまうと...


上記の原因になるので 必ず水で洗う ようにしてください。

スピニングリールやレバーブレーキリールを洗った後は、ハンドルを回して水を切り乾いた綺麗なタオルを使用して表面に残った水滴を丁寧に拭き取ります。

エアダスターを使用すると隙間に入った水滴も簡単に吹き飛ばすことができます。

ドラグツマミを反時計回りに回しドラグを緩めて本体からスプールを外し直射日光が当たらない風通しの良い場所で保管してよく乾燥させます。

上の写真のように本体にオイルインジェクション( 注油口 )が装備されている機種の場合は、ネジを外して蓋を開けておくと乾燥が早くなります。
また、内部の蒸れも防止できます。

本体やスプールをよく乾燥させた後に組み立てて ドラグを緩めた状態 にして次回の釣行まで直射日光が当たらない場所で保管します。
ドラグを締め込んだままの状態で保管すると内部の柔らかいフェルト製の座金に常に圧力がかかり続け潰されてドラグの調整幅が狭くなる恐れがあります。
スピニングリールまたはレバーブレーキリールの本体の表面に付着した汚れや海水の塩分をそのまま放置すると...

上記の原因になるので、釣行後は速やかに水で洗い流すことをおすすめします。
スピニングリールまたはレバーブレーキリールの本体を水で洗うことに対して抵抗がある方や「 水洗い OK 」の表示がない機種の場合は...

綺麗なタオルを水道水で濡らして固く絞り、全体を丁寧に拭き上げて表面に付着している汚れや海水の塩分を取り除きます。
上の写真で示したアームローラー( ラインローラー )の部分は、入念に拭き上げるようにしてください。

スプールの腐食を防止するため道糸( ライン )に付着した海水の塩分はシャワーの水で洗い流すことをおすすめします。
スプールのドラグ座金の外し方については、記事の後半で紹介しているドラグのメンテナンス( お手入れ )方法を参考にしてください。
釣行後のメンテナンス( お手入れ )を一切やらずに次回の釣行までそのまま放置したりすると確実に寿命が縮まります。
シャワーの水で洗うまたは濡らしたタオルで拭く作業は必ず行ってください。
◆ 道糸( ライン )のコーティング
表面に撥水コーティングが施された水切れが良い道糸をスプールに巻いていれば問題ありませんが、実釣中に道糸の水切れが悪くてベタつくという方は...

上の画像のラインコート剤 ボナンザ ライン・メンテZ 50 がおすすめです。
スプールに巻いた道糸にシュッとひと噴きスプレーすれば、フッ素樹脂の被膜効果により道糸の表面を簡単に撥水コーティングできます。
道糸の水切れの改善と同時にスピニングリールやレバーブレーキリールの本体に海水が飛び散りにくくなるため汚れを軽減したり...
道糸の滑りが良くなってロッドのガイドとの摩擦抵抗が軽減されるため仕掛けをキャストした時の飛距離も向上します。
ナイロンライン・フロロカーボンライン・PEライン に対応しています。

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⇒ ライン・メンテの詳細はこちら

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◆ スピニングリールの定期的なメンテナンス( お手入れ )方法

スピニングリールやレバーブレーキリールは、釣り道具の中でも精密機器に分類されるため定期的に自分でオイルを注したりグリスアップする必要があります。
メンテナンス( お手入れ )を怠ると早い段階で金属の部品が腐食したり金属の部品同士の潤滑性が低下して摩擦が大きくなり摩耗して重症化すると...
本来の巻き心地や性能が失われて部品交換を伴う修理が必要になったり最悪の場合は買い替えなければならないという事態に陥ります。
今回は、一般的な海釣りシーンで 海水の影響を受けやすい部分 を中心に必ずやっておきたいメンテナンス( お手入れ )の方法を紹介していきます。
目安として、釣行3〜5回に1回ぐらいの頻度 で行うことをおすすめします。

1. オイル( 潤滑油 )
2. グリス
3. キッチンペーパー
4. 綿棒
5. ピンセット
6. ドライバー
上記の道具を用意します。

スピニングリールやレバーブレーキリールのメンテナンス( お手入れ )に使用するオイルとグリスは、シマノやダイワのメーカー純正品をおすすめします。
オイルとグリスは、部品の表面に油膜を作って部品同士の摩擦が起こらないようにする潤滑や錆の発生などの腐食を防止する保護効果があります。
シマノのリールの場合は...

シマノ リールメンテ スプレーセット

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⇒ リールメンテスプレーセットの詳細はこちら

⇒ リールメンテスプレーセットの詳細はこちら
ダイワのリールの場合は...

ダイワ リールガード スプレーセット

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⇒ リールガードスプレーセットの詳細はこちら

⇒ リールガードスプレーセットの詳細はこちら
皆様が所有しているリールのメーカーに合わせて準備してください。
1. メインシャフト

上の写真で示したメインシャフト( スプールの軸 )の部分にオイルを注してリールのハンドルを回しオイルをよく馴染ませます。
オイルは 0.5 秒 程度シュッと一瞬スプレーするだけで十分です。
2. アームローラー( ラインローラー )

上の写真で示したアームローラー( ラインローラー )の部分にオイルを注します。
表面に残った余分なオイルはキッチンペーパーで拭き取ります。
ボールベアリングが搭載されている機種や丁寧にメンテナンス( お手入れ )をする場合は、プラスのドライバーを使用して固定ボルトを外し...

内部に直接オイルを注します。

上の写真のように本体にオイルインジェクション( 注油口 )が装備されている機種の場合は、スプレーのノズルを挿入してオイルを注します。
キッチンペーパーで覆ってからオイルを注すと飛散を防止できます。
グリスアップすることも可能ですが、グリスは粘度が高くローラー自体の回転が重くなるのでオイルをおすすめします。
アームローラー( ラインローラー )の回転性能が低下すると...


上記の原因になるので、こまめにオイルを注すようにしてください。
3. ベールアームの摺動面

上の写真で示した両サイドのベールアームの摺動面をグリスアップしてベールアームを数回開閉して動かしグリスをよく馴染ませます。
表面に残った余分なグリスはキッチンペーパーで拭き取ります。
摺動( しゅうどう )とは?
⇒ 物( リールの場合は部品 )が滑って動くこと

ベールアームの摺動面を丁寧にメンテナンス( お手入れ )する場合は、上の写真のようにプラスのドライバーを使用して分解してから...

綿棒で薄くグリスを塗り組み立てます。
古いグリスが残っている場合は、綿棒またはピンセットと小さくカットしたキッチンペーパーを使用して拭き取ってから新しいグリスを塗ってください。

リールの分解図を見ると組み立て作業がスムーズになり失敗も防止できます。
4. ハンドル

防水キャップのネジを反時計回りに回して本体からハンドルを取り外します。

上の写真で示したハンドルの軸の部分と...

ハンドルノブの付け根の部分をグリスアップします。

ハンドルノブの内部にボールベアリングが搭載されている機種の場合は、プラスのドライバーを使用して分解してから直接グリスアップします。
回転を更に軽くしたい方は、グリスではなく オイル を注してください。
5. スピニングリールまたはレバーブレーキリールの本体

上の写真で示したスピニングリールやレバーブレーキリールの本体の心臓部のギアに直結する両サイドのボールベアリングをグリスアップします。

上の写真のように本体にオイルインジェクション( 注油口 )が装備されている機種の場合は、心臓部のギアを直接グリスアップすることができます。
グリスは 1 秒 程度スプレーします。

ハンドルを取り付けて組み立てればメンテナンス( お手入れ )は完了です。
リールに付属されている 取扱説明書 にオイルやグリスの使用方法が記載されている場合は、そちらの方も参考にしながら作業を行ってください。
機種により注油する油種が異なる場合があります。

リールに付属されている分解図を見ながら部品を1つずつ...
分解 → 洗浄 → グリスアップ → 組み立て
上記の作業を自分ですべて行う オーバーホール という方法もありますが、かなりの手間が掛かりメーカー保証や修理の対象外になるというリスクも伴います。
高価なスピニングリールまたはレバーブレーキリールは、最寄りの釣具店に持ち込みメーカーにオーバーホールを依頼した方が無難です。
定期点検を兼ねて、年に1回の頻度でオーバーホールすることでベストなコンディションを長く維持することができます。
◆ スピニングリールのオーバーホールの基本料金
・ シマノ 2100円 〜 6100円( 税別 )
・ ダイワ 3000円 〜 4000円( 税別 )
※ 部品の交換や修理が必要になる場合は別途料金がかかります。
自分でオイルを注したりグリスアップを行っても...



上記の症状が残る時は、メーカーのオーバーホールをおすすめします。
安価なスピニングリールの場合は、メーカーに依頼してオーバーホールして部品交換や修理を行うより寿命と割り切って買い替えを検討した方が無難です。

スピニングリールまたはレバーブレーキリールのドラグのメンテナンスですが、こちらの方は耐久性が高いので頻繁に行わなくても大丈夫です。
ドラグのメンテナンス( お手入れ )方法は...

ピンセットまたは機種により付属されている専用工具を使用して座金のストッパーと組み込まれているすべての座金を取り外します。
釣行後にスプールを水洗いしたり道糸( ライン )の塩抜きを行う時も座金を取り外して作業することをおすすめします。
上の写真の シマノ アエノス XT 1000 のドラグの場合は...
1. 抜け止めバネ( 座金のストッパー )
2. 小判座金( ステンレス製 )
3. ドラグ座金( フェルト製 )
上記の3つの部品がスプールに組み込まれています。
スピニングリールやレバーブレーキリールの機種のスペック( 最大ドラグ力 )などにより内部に組み込まれている座金の枚数が異なります。

ドラグには、別途ドラグ専用のグリスを用意する必要があります。
シマノのリールのドラグの場合は...

シマノ純正サービスグリス DG-01

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⇒ シマノ純正サービスグリスの詳細はこちら

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ダイワのリールのドラグの場合は...

ダイワ純正トーナメントグリスV

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⇒ ダイワ純正トーナメントグリスの詳細はこちら

⇒ ダイワ純正トーナメントグリスの詳細はこちら
皆様が所有しているリールのメーカーに合わせて準備してください。

綿棒を使用して、それぞれの座金の表面にドラググリスを薄く塗り伸ばして元通りに組み込めばドラグのメンテナンス( お手入れ )は完了です。
フェルト製のドラグ座金は、ドラググリスを塗って染み込ませます。
目安として、年に1回のドラグメンテナンスと数年に1回のフェルト製のドラグ座金の交換で対応していけば問題ないです。
上記で紹介した通り、スピニングリールやレバーブレーキリールのドラグは、至ってシンプルな構造になっていることがお分かりいただけたと思います。
ドラグツマミを回して内部の座金に適度な圧力を掛け魚が引いた時にスプールが回転して道糸( ライン )を放出するドラグ力を調整しています。
今回紹介したスピニングリールの定期的なメンテナンスと釣行後のお手入れを自宅でしっかり行えば快適な巻き心地や回転性能を長く維持することができます。
釣り師の皆様の参考になれば幸いです。
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